となり

その頃一方で―

入院していた彼の方は
治療法の結果が出た時だった

『今日は、ご足労お掛けしてすいません。先日息子さんに行なった、治療法のひとつの結果がでました。大変申し訳ありませんが、とても期待していた、治療法のひとつだったんですが、息子さんに取って効果が得られないとわかりました。つい先日もお話致しましたが、息子さんの場合、進行が他の患者さんよりも数倍早く、このまま進むと、足の不自由がまず奪われてしまうと思われます。そうしますと、歩行が困難になり、車椅子を使う生活になると、お考え下さい。今はまだ薬で進行を遅らせていますが、前兆として手足の痺れが出始めたら、進行を止めることは、かなり困難になると思います。そうならないためにも、今は薬の量も増やしていますが、ここの所様子を見ますと、副作用で吐き気や下痢などの症状がでています。薬のほうも体に大きな負担がかかっていますが、今は息子さんの様子を細かく見て随時報告して頂けたら助かります』と
先生の言葉に
真悠は動揺を隠せなかった