となり
再び先生は口を開き
『このまま入院をして頂いて、他の治療法を試してみるのもいいんですが、息子さんのことを考えて一度退院をし、出来る範囲でリハビリを兼ねて私生活を過ごして頂くのも、病院にこもるよりも、息子さんに取ってはいいことだと思いますがどうでしょうか?』と
長い先生の言葉に
真悠は重たい口を開いた

『せ…先生。私達は、このまま空ちゃんが歩けなくなって行くのを、ただ黙って見てるしかないんですか?どんどん進行が早くなって、空ちゃんに出来ることが、どんどん少なくなって行くのを、私達はただ黙って見てろと、そう言うことですか?今回の治療法がダメでも、また違う治療法を早く見つけて下さい。退院するよりも、治療をして少しでも空ちゃんの進行が遅れてくれれば、空ちゃんだって、まだまだ色々出来る…どう…して、空ちゃん何ですか?先生…どうし…て』と
真悠は大粒の涙を流しながら
先生に詰め寄ると
『真悠、止めるんだ。わかったから、落ち着け』と
直人は真悠を先生から離し
椅子に座らせると
真悠は大きな声で泣きだした
< 309 / 411 >

この作品をシェア

pagetop