となり
『空ちゃん…どうしたの?あっ、ちょっと手、どうしたの?血が出てるじゃない、見せて』と
真悠は彼の手から
血が出てるのを見つけると
彼の手を急いで掴んだ

『離せ』と真悠の手を弾き
再び自分の回りにある物を
あちこちに投げつけた

真悠はどうしたらいいのか
分からずに立ち尽くしたまま
その場を動けなかった

『空ちゃん、止めて…どうしちゃったの?』と
必死で暴れる彼に
真悠は小さく囁き
再び彼に近づき止めようとした

『離せ~。ほっといてくれ』と
彼は真悠に言うと
彼は部屋中の物を
投げつけ叫び始めた

そして再び彼の手が激しく
痺れだすと彼は
その場に座り込んだ

真悠は彼の異変に気付くと
震えている彼を抱きしめた

『空ちゃん…大丈夫、大丈夫だからね。心配ないからね』と
背中を擦りながら言うと
彼は再び真悠を振り払い
『出て行ってくれ、一人にしてくれ』と
彼は真悠に背中を向けた

そして真悠は彼が涙を
堪えてのがわかった

そして真悠は何も言わずに
彼の部屋から出ると
彼は声を上げて泣き出した―

真悠も扉の前にしゃがみ込み
何も出来ない自分が
とても悔しく涙が溢れ
止めることは出来なかった
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