となり
私は部屋に戻ると
タンスから洋服を出し
ゆっくりと袖を通した
三ヶ月過ぎになると
目にはわからないが
今まで着ていた服がキツイと
感じるくらいお腹は
ゆっくりと大きくなっていた
私は洋服を着ると
鏡の前に立ちお腹に手をあてる
そして確実に大きくなっている
自分のお腹にいつも
幸せな気持ちになっていた

着替えを済ませ
机に置いてあった
鞄を持ち携帯と財布が
入っているのを確認した

携帯を手にすると
退院して真悠に
メールを打ったままの状態で
放置されていたせいか
充電が切れて
画面が真っ黒だった
『あっ、携帯の充電切れてるし。充電しないと』と
机の上に置いてあった
充電器に携帯を挿し込み
私は再び階段を降り
リビングに入ると
母親は洗濯を干していた

『用意出来たの?』と
母親の問いかけに
私は軽く頷ずくと
『ヨーグルト置いといたよ』と
母親は告げると
『うん、ありがとう』と
答え椅子に座った

私はテーブルの上に
用意されたヨーグルトと
牛乳を口にしながら
母親が洗濯を干している
後ろ姿を見つめていた
< 317 / 411 >

この作品をシェア

pagetop