となり
―――もえ
急に温かくなるような
安心する声で呼ばれ目が覚めると
私はベッドの上で
横になっていた
そこには母親が
不安そうに私の顔を見つめている

『お母さん?』と
私の言葉に母親は
ギュッと私を抱きしめると
背中をポンポンと叩いた

『いきなり倒れたなんて連絡がきて心配したのよ。具合はどう?』と
母親の言葉に私はやっと
自分が倒れてベッドに
横になっていることに気づく

『私…また倒れたの?』と
私の問いかけに
母親は再び不安な顔をし
私を見つめていた

そして私は自分の脇にある
テーブルの上に乗せられた
携帯に目が止まった

¨空太¨達也からのメール
私は思い出したかのように
ベッドから勢いよく起き出した

『もえ?』と
母親が驚き私の体を抑える

『行かなきゃ、行かなきゃ、待ってる。彼の所に行かなきゃ』と
私は大きな声を出しながら
病室を出ようと
扉に手をかけた瞬間
扉が開き先生が入ってくる

『七瀬さん、どうしました?』と
先生の言葉も耳には届かない
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