となり
『私…行かなきゃ、彼の所に』と
私は焦りながら
私の体を抑えている
母親の手を必死で振りきろうと
もがきながらひたすら
¨行かなきゃ¨と
うわ言のように言いながら
無我夢中で暴れていた

『七瀬さん、落ち着いて下さい。今は体を休めましょう。このままだと赤ちゃんにまで影響が出てしまいますよ。今日はこのまま病院に泊まってもらいます。明日朝一で検査をしますのでよろしくお願いします』と
先生の言葉に私は
ふと我に返りながら
その場に座り込むと
母親は先生に向かって
『よろしくお願いします』と
頭を下げると先生は
病室から出て行く

『もえ、何があったかわからないけど、今はとにかく自分一人の体じゃないんだから、先生の言う通りゆっくり体を休めなさい』と
私をベッドに抱きかかえ
優しく頭を撫で布団をかけた

私はそのまま大粒の涙を
出しながら子供のように
声を出し泣くと
そのままいつしか
再び深い眠りについた
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