となり
知己は何度も彼に
話かけていたが
彼は枝の上に寝そべり
何だか少し機嫌よく鼻歌を
響きかせている
私はもう少し二人に
気付かれない所まで近づいた

すると耳にした
~♪彼の鼻歌…!?
聞き覚えがある…
さっき私が演奏していた曲?
何故だか私の鼓動は早くなった

知己は急に不機嫌になり
『そんなに、あいつがいいわけ?あんなやつ…』と
口ごもりると
彼は知己の言葉で
急に体を起こし木から飛び降り

『あいつ…って、お前友達だろ?』と
彼は知己に詰め寄る
私は彼の言葉に
胸がザワザワし出した

そして冷たい風が吹き抜け
二人の会話が一瞬途切れた

知己は再び口を開いた
『私、瑞木のこと…好きなんだよ』と
知己は彼をつかむ

私は二人の姿を目にして
また知己の言葉に凍りつた

彼は知己を見つめている
そして私は二人の会話から
二人が親密な関係かと思い込み
その場から走り去っていた
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