となり
『そうでしたか、娘は何も言わなかったので、空太君が別れを告げたなんて知りませんでした。わかりました、娘には空太君のことは、何も言わないでおきます。空太君と同じように娘も空太君のことを知ったらきっと、真っ先に会いに行こうとするでしょうから、今は娘には安静にして欲しいですから。私から告げるのもおかしいですが、お父様の耳には入れて置いて欲しいことなんですが、娘は今、空太君の子供を妊娠しています。私も夫も最後まで反対したんですが、娘の決めたことを今は見守ることに決めました。娘の年齢では胎児も母体も危ない出産になると言われていますが、娘は諦めずに産むと、最後まで空太君のことを想っていました。本人はつわりや体のだるさなど辛いことばかりなのに、弱音ひとつ吐かないんです』と
直人は言葉がでないまま
心臓がドキドキしていた
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