となり
―ピンーポン
家のチャイムが鳴る
『はいっどちら様ですか?』と
真悠は病院から帰宅し
食事の支度をしていた

『すいません、沢井です。今日も空太に会いに来たんですが』と
達也は部活を終え
それは日課のように
彼の家に訪れていた

真悠は達也を部屋に上げると
『どうぞ』と
キッチンからココアを運ぶ

『ありがとうございます』と
達也は言うとゆっくり口をつけた

『いつもごめんね。今日も病院で空ちゃんに達也君のこと言ったんだけど…』と
真悠の言葉に達也は
『会いたくないって言ってるんですか?空太があの予選会の前日に倒れて、学校に来なくなってから、だいぶ経つのに、顧問の先生も担任でさえも何も教えてくれなくて、空太そんなに体調悪いんですか?俺すごい心配で、もえちゃんにもメール打ったんですが、返信はなくて。もえちゃんこのこと知ってるんですか?』と
達也の言葉に真悠は
少し慌て気味な様子で
『えっ?もえちゃんにメール?空太が入院していること言ったの?』と
真悠の問いかけに
達也は軽く頷くと
真悠の慌て振りに少し驚いた
< 345 / 411 >

この作品をシェア

pagetop