となり
直人の鼓動はずっと
ドキドキ高鳴ったまま
もえの母親と目を
合わせることも出来ず
最後まで直人の体は
微弱に震えていた

話が終わりもえの母親が
席を立ち姿がなくなっても
しばらく直人はその場から
動けずに椅子に座っていた

時間はどのくらいたったのか
しばらくすると
直人の携帯が鳴ると
直人は方針状態から
我に返りながら慌てて
携帯を開き出た

『直人?朝何で声をかけてくれなかったの?もう、もえちゃんのお母さんに話しちゃったの?』と
電話は真悠からだった

『悪い、終わったから。もう今から帰るから、ゆっくり話すよ』と
直人はそれ以上何も言わず
携帯を切ると直人は
ゆっくり立ち上がった

そして直人は車に乗り込むと
車を走らせながら
彼女の言葉が何度も
直人の脳裏に蘇る

¨もえちゃんに子供¨…
それも出産をする事実
直人は空太の病気と
同じように重たく感じていた
そして直人は自然に
空太がいる病院に向かっていた

病院の駐車場に着き
車を止め下りると
また再び彼女の言葉が
直人の脳裏に浮かぶ
歩き慣れた病室への道が
長く感じ直人の足は重かった
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