となり
トントンと小さく
小刻みに震える手を抑え
直人は病室の扉を叩く
中からは音ひとつ聞こえない
そっと静かに扉を開けると
彼の姿はなかった
直人はゆっくりと
彼のベッドに近づき
そして椅子に腰を落とした
『はぁ』とため息を漏らし
そして直人はテーブルに
置いてあった時計を見る
調度お昼前になる時間―
『空太は検査かな。真悠も、今日はまだ来てないのか』と
一言呟くと彼のベッドにある
枕の下から一冊のノートが見え
直人は不思議そうに
そのノートを手に取り
そして中をゆっくり開いた
○月×日
今日から先生に言われて、自分の体調を書くことになった。日記みたいな感じで書けと言われたけど、何を書けばいいのかわからない。体調は今は別に何ともない。早くグランドに戻りたい。もえ会いたいよ―
○月×日
今日はすごく天気がいい。こんな日は思いっきりグランドを走りたい。みんなはきっと走り込みしてるんだろうな。もえの声が聞きたい。
パラパラめくると
彼が書いた日記だった
直人はノートをまた一枚
めくろうとした瞬間
廊下から聞こえた看護婦さんの
声にノートを一度閉じ
そして枕の下に戻した
小刻みに震える手を抑え
直人は病室の扉を叩く
中からは音ひとつ聞こえない
そっと静かに扉を開けると
彼の姿はなかった
直人はゆっくりと
彼のベッドに近づき
そして椅子に腰を落とした
『はぁ』とため息を漏らし
そして直人はテーブルに
置いてあった時計を見る
調度お昼前になる時間―
『空太は検査かな。真悠も、今日はまだ来てないのか』と
一言呟くと彼のベッドにある
枕の下から一冊のノートが見え
直人は不思議そうに
そのノートを手に取り
そして中をゆっくり開いた
○月×日
今日から先生に言われて、自分の体調を書くことになった。日記みたいな感じで書けと言われたけど、何を書けばいいのかわからない。体調は今は別に何ともない。早くグランドに戻りたい。もえ会いたいよ―
○月×日
今日はすごく天気がいい。こんな日は思いっきりグランドを走りたい。みんなはきっと走り込みしてるんだろうな。もえの声が聞きたい。
パラパラめくると
彼が書いた日記だった
直人はノートをまた一枚
めくろうとした瞬間
廊下から聞こえた看護婦さんの
声にノートを一度閉じ
そして枕の下に戻した