となり
そしてチャイムが鳴ると
二人は教室に戻り
午後の授業を終えると
再び放課後に彼に会いに行く
計画を話していた

『空太が住んでる所って、こっからどのくらい時間かかるんだ?』と
信吾は梨沙子の教室にくると
もえの席に腰を下ろした

『ん~、もえの話だと二時間弱はかかるみたいだよ』と
梨沙子は鞄から余っていた
お菓子を取り出すと
机の上に広げだした

『二時間弱?どんだけかかるんだよ。やっぱり止めない?』

『もう、それ却下。二時間弱かかっても、絶対に行~く~の。午前中に行けば夜までには帰って来れるよ』

『夜って、何だよ。そんなアバウトな。もし空太に会えなかったら、どうすんだよ』

『あっ。それは意味ないね。だけど、大丈夫だよ』

『大丈夫って、事前に連絡しとけよな』

『はい、はい。だけど何かさ~旅行みたいで楽しいね』

『旅行って。本当の旅行だったらな』と
信吾は気乗りしない様子で
机の上に置いてあるお菓子を
ひとつ手にし口に運んだ

梨沙子は信吾の素っ気ない
態度に少し怒りつつも
目の前のお菓子を口に運び
息を荒くさせながら
俄然やる気になっていた
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