となり
そして真悠は梨沙子の
問いかけに返信しないまま
リビングを出ってしまった

『このまま、空太に会えね~のかな?何かあの人、疲れた顔してたな』と
信吾の言葉に梨沙子は
『もしかしたら、家族自体うまく行ってないのかもしれないね。だってあの人、瑞木のお父さんの再婚相手でしょ?だから瑞木家に帰って来ないのかも』と
色々なことを考えながら
梨沙子がテーブルの上に
手を伸ばそうとした瞬間
リビングの扉が開き
真悠が再び二人の前に
現れると真悠の手には
大きな茶色の封筒があった

『あの、やっぱり空太に会えないんですか?』と
信吾の再びの問いかけに
梨沙子はソファーに座り
手にした茶色の封筒をあける

『まだ家族以外、誰にも言ってないの。これも、病院から無理を言ってもらった物でね、空ちゃんのお父さんにも秘密にしてる大事な物なんだけど。もえちゃんに見せる予定だったの。空ちゃんのお父さんは、もえちゃんには何も言うなって言うんだけど、私は今の空ちゃんには、私達家族よりもえちゃんが必要だと思うから…』と
真悠の言葉に梨沙子は
少し冷や汗を流しながら
『空太君に何があったんですか?』と
問いかけると真悠は
息を飲み込み息を吐いた
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