となり
『この家で空ちゃんが暮らすようになってから、空ちゃんは毎日休まずに陸上を頑張った。始めは私も空ちゃんのお父さんも応援してたんだけど、段々心配するようになって、少しは体を休めたらって言ってたんだけど、空ちゃんは、大丈夫って笑って見せてたから、私達もそれ以上何も言わなかったら、春休みに開かれる記録会の選手を決める部活中に、空ちゃんは倒れて病院に運ばれたの』と
真悠は言葉を一瞬止めると
『記録会…確かもえが空太君の誕生日で泊まって帰ってきた時に応援に行こうって言ってたやつだ。確かその頃から、もえ空太君と連絡が途絶えたって言ってた』と
梨沙子は答えた

『そう。始まりは、その記録会の日からだったの。そして検査をして、病気が発覚した…』

『えっ?病気?』

『そう、病気。これはその病気のことが細かく書いてある物なんだけど、多分見てもよくわからないと思う。私も始めはそうだったから』

『じゃあ、それから空太君は病院に入院してるってことですか?』と
梨沙子の言葉に真悠は
首を軽く横に振った
< 369 / 411 >

この作品をシェア

pagetop