となり
『だ…だから、もえとは別れたんだ。俺の病気のこと聞いたら、もえは絶対に毎日俺の所に来る。母さんの時もそうだった様に。だから、もえには負担はかけたくなかった。俺はだめでも、もえは来年受験だし、俺のせいで高校行かないって言い出す可能性もあるからな。それに一番は、どんどん体が不自由になっていく姿を見せるのも、絶対に嫌だったし、惨めな思いもする…なら一層もえから離れたほうがいいって思うのが当たり前のことだろう?』

『瑞木がそんな弱っちい男だと思わなかった。今の瑞木の姿見たら、もえもきっと幻滅するね。そんな男に、もえ達を幸せにすることなんて出来ない。一生そうやって何もせずに病院のベッドで横になってたら?』と
梨沙子の言葉を最後に
彼の言葉は止まると
二人の会話を聞いていた
真悠が口を開いた

『今…もえた…ち?それって、どう言うこと?』と
真悠の問いかけに
梨沙子は少し息を荒たてて
『もえは言うなって言ってたんですけど、実はもえ、今瑞木の子供を妊娠してるんです。始めは家族にも反対され味方もいなくて、一人で心細かったんじゃないのかな。なのに瑞木から別れを言われてもえ一人で辛い思いしてたんだよ』
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