となり
『もえ、元気ないね?』と
私の気持ちを悟ったのが
少し心配そうに問いかけ
私が口を開こうとした瞬間
知己はまた再び口を開く

『もえには言っちゃうけど、これ誰にも言わないでよ。私、実は好きな人がいてね、同じ部活の瑞木って言うんだけど…もえ同じクラスだから知ってるよね?』と
知己の言葉に私の鼓動は
早くなりそしてまた
私の脳裏にあの日のことが
浮かび上がり切ない気持ちが
涙となって溢れ出しそうになる
それを私は必死で抑えていた

知己は突然自転車を止め…
そして私も知己の
少し前で自転車を止めた

『もえ、お願い。協力してくれるよね?うちら友達だもんね』と
知己は手を合わせながら
軽く笑い私に言った

私は知己の言葉に対して
何も答えることが出来なかった

私は人見知りが激しく
小学生の時はなかなか友達を
作ることが出来なかった…

唯一出来た友達が
5年生に上がった時に
引越しをしてしまったせいか
クラス替えになって
再び新しい友達を作るにも
性格ゆえになかなか
新しい教室にも馴染めず
友達が出来なかった私に
知己は声をかけてくれ
私を仲間に入れてくれた
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