となり
真悠は彼の隣に腰をかけ
彼の背中をゆっくり擦ると
彼は次第に声を顕にし泣いた

『空ちゃん、今度は大丈夫だよね?私、今すぐにでも、先生に退院出来るように話してくるから』と
真悠の言葉に彼は
何も言わずに泣いていた

真悠は昼過ぎになると
担当医の先生の元に出向いた

『先生、大丈夫でしょうか?』と
梨沙子は彼の退院の許可を
もらえるように先生に頼んでいた

今度は大丈夫…
きっともえと会えば
彼が元の彼に戻ると
真悠は信じていた

『わかりました。病院に長くいるよりは、普通に生活をなさっていたほうが、病気の進行にもいいですからね。ですが、きちんと自宅に帰られても、今度は以前のように薬を服用せずにいれば、進行はどうなるかはわかりませんよ』と
先生の言葉に真悠は軽く頷き
『大丈夫です。きっと空ちゃんは、病気に立ち向かっていける勇気がついたと思います。私達、家族もきちんとサポートしますから』と
真悠の気迫した言葉は
先生を安心させると
退院の許可証を真悠に手渡した

真悠は再び彼のいる病室に戻ると
彼は窓際に立ち外を覗いていた
< 386 / 411 >

この作品をシェア

pagetop