となり
翌日退院を許され
家に戻ると久しぶりに見る
自分の部屋が綺麗に
片付けられていることに気づく

『あんなに、物を投げつけ部屋が綺麗になってる』と
自分の荷物を机の上に置き
ベッドに横になる

『はぁ~やっぱ、自分のベッドが一番だな』と
手を天井に伸ばすと
ベッド横にかかった
クリーニングされ
ビニールに入った制服がある
彼は勢いよくベッドから
起き上がると制服に手を当てた

トントンと部屋のドアが鳴り
扉が開き真悠が中に入ってきた
『空ちゃん、お風呂準備したけど入る?』と
真悠は言うと彼が制服に
手を伸ばしてる姿が目に入る

『いつでも着れる様にクリーニングしておいたんだよ。学校も落ち着いたら行けばいいよ。達也君もきっと喜ぶよ』と
真悠の言葉に彼は頷き
『風呂入るよ』と
声をかけると彼はお風呂場へ向かった

その日の夜は久しぶりに
家族三人で食事をした
直人は彼がもえに
会いに行くことに
最後まで首を縦に振らなかったが
食事をしながら彼が口にした
もえに会いたい気持ちが
もう自分が何を言っても
彼を止めることが出来ない
それどころか自分の
知らないところで
彼の気持ちがここまで
立ち直っていたことに
直人はもう何も言えなかった
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