となり
彼が退院をし
もえに会いに行くことを
決めた日にまさか
もえが彼の病気のことを知り
倒れたことなんて彼は知らなかった

翌日彼は早めに目が覚めると
リビングに下りて行く

『あらっおはよう。空ちゃん、朝ご飯食べる?』と
真悠の言葉に軽く頷き
洗面所に向かうと顔を洗う

『牛乳飲む?』と
真悠の問いかけに彼は
『うん。父さんは?』と
辺りを見渡すともう既に直人の
姿はなく直人分の食事もない

『はい、牛乳。直人ならもう仕事行ったわよ。空ちゃんは、今日は何時に家出る?駅まで送って行くよ』と
真悠から牛乳を受け取り
口にすると彼は
久しぶりに感じた味に
何だか気持ちが落ち着いた

『うん、昼前には出るよ。あまり遅いと帰って来れなくなるし』と
彼は言うと用意された
朝食に手をつけ始めた

『そう、じゃあ食事済ませて、用意したら出ようか。食事済ませたら、お薬もちゃんと飲んでね。あとは、予備にきちんとお薬持って行ってね』と
真悠の言葉に彼は軽く頷くと
真悠も席に座ると食事に
口をつけ始めた
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