となり

翌朝いつもの様に
目が覚めると
カーテンが閉まっていても
いつも明るく病室を照らす
明るい日差しはなく陰っていた

私はベッドから起き上がり
カーテンを開けると
今にも雨が降りそうなくらい
空が真っ暗になっている

トントンと扉が叩かれ
扉が開くと看護婦さんが
笑顔で中に入って来た

『あら、七瀬さん、おはよう。具合はどう？体温よろしくね』と
体温計を渡し問いかけた

『おはようございます。はい、何だか昨日はいつの間にかに寝ちゃったくらい、よく眠れたせいか、気分もいいです』と
私は計り終えた体温計を渡す

『そうね、昨日は消灯時間に来たら、灯りも消さずに寝てたわね。はい、熱もなし』

『すいません。何だか疲れてたのか、灯りも付けたまま寝てました』

『いいわよ。昨日来ていた、男の子は…初めて見たけど…』と
昨日もえが彼と会って
泣いていたことを思い出し
聞きにくそうに看護婦さんは
言葉を濁らせながら問いかけた

『この子の父親です』と
私はお腹を擦りながら
少し照れた顔で答えた