となり
『え~、では確認していきます』

『はい…』

『七瀬もえさん、住所は間違いないですか?保険証か何かありますか?』

『はい、住所は間違いないです。これが保険証です』

『確認しますね。はい、間違いないようですね。では、こちら…』と
女性の言葉が一瞬止まり
私はドキドキしながら
彼女の顔に視線をずらすと
彼女は私のことを上から下に
目を動かせながら
ジロジロと見つめていると
私の視線に気づいたのか
少し苦笑いをしながら
『えっ…と、生年月日も間違いないですね?』と
問いかけると私は
彼女が私の歳での出産に
変な感情を抱いたことに気づいた

そして私は彼女から視線を離すと
急に自分が何かいけないことを
したような気がして
彼女の問いかけに答えられなくなった

『七瀬さん?』と
彼女は私に呼び掛けるが
私はただ下を向きうつ向いていると
後ろから母親が私の背中を叩き
『しっかりしなさい』と
囁くと私は今にも母親に
飛び付きそうになるのを
必死に抑え再び女性に
視線をずらすと女性は
私に苦笑いをしながら
『では、あちらで少々お待ち下さい』と
言われると私と母親は
再び椅子に腰かけた
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