となり
そして気が付くと
テストも終わり
10月の衣替えが始まる
風も段々冷たい
季節になりつつあった
何も変わらない
日常が始まり相変わらず
知己は時間さえあると
彼の元に現れいつしか
二人は付き合っていると
噂も出るほどのものだった
私はそんな二人の光景が
いつしか見慣れるほど
気持ちも落ち着き始めていた

お昼休み―
いつものように梨沙子と
屋上でご飯を食べる
梨沙子はサンドイッチを
片手にニコニコしながら
『もえ、明日うちの部活の奴等とカラオケ行くんだけど、もえも一緒に来ない?たまにはワイワイしないとね』と
梨沙子の言葉に私は
おにぎりを口に含みながら
首を縦に振り軽く笑う

『それに明日そのカラオケで、部員告るらしくて~』と
梨沙子の会話が遠くなる
この時期告白をする人が多く
冬休みまでにカップルになる
…と言う私には縁がない話で
周りは盛り上がっていた

毎日見る知己と彼の姿を
見慣れたと感じても
私はやっぱり彼が好きだと
気持ちは正直になる…

そして笑顔を作っても
自然に変わる切ない顔に
いつも梨沙子は何も言わずに
『よしよし』と
優しく頭を撫で笑う
それが今の私には
とても温かく感じた
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