となり
第6章 ~病~
衣替えが過ぎると
季節はあっという間に
秋の終わりが近づき
肌寒い風が吹くようになり
冬休みも もう目前だった

私は相変わらず
彼と知己とは距離を置き
隣の席にいるのにも関わらず
目も合わすことさえなかった

10月に入ると何故か急に
彼は学校を休みがちになり
見かけたと思ったら
急にまた早退したり
昔から遅刻は度々だったが
それが日常茶飯事のように
頻繁に遅刻をしたりと
そんな彼の姿に私は
少し不安な面持ちでいた

次第に知己も
彼の元に足を運ぶことが
少なくなっていき
彼と知己は別れた…
と言う噂が流れ出し
私の気持ちは軽くなっていた

そして時間ばかりは
刻々と過ぎて行き
何も出来ずに不安な気持ちを
抱えたまま終業式を迎えたが
彼は終業式には出席せず
彼に会わずに冬休みに入った―

私は二日に一度
部活で学校へ通う
特に強制ではなかったが
いつものように
自転車に乗り学校へ向かう

そして部室に入ると
休み中にわざわざ参加する
部員も少なく部長さえいない
別に何を演奏するわけでもなく
楽器のチューニングも
いつもより音が寂しかった

私はクラリネットを持ち
チューニングを始めた
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