となり
そして自然にグランドに
目が行き彼を探している
目をぐるぐるとさせ探すが
彼の姿はグランドになかった
そして次の日もまた次の日も…
彼はグランドには現れなかった

部室から見えるグランド…
いつも彼が走っている姿が
当たり前のように見えていた
それが全て幻だったかのように
忽然と姿を消した彼の姿に
私はどうしようもない
不安な気持ちと
切ない気持ちで
胸が張りさけそうだった

そして彼に会いたいと言う
気持ちが膨らむばかりだった

そして短い冬休みも終わりに
差し掛かろうとした時―
思いもしない出来事が起こった
それは梨沙子からの
突然の連絡だった

梨沙子の受話器越しの声は
とても慌ただしく
そして少し興奮していた
それはいつもの梨沙子とは
感じらえないほどで
何だか胸騒ぎがした

梨沙子の家と彼の家は
親同士も知り合いになるほど
近所にあり彼の家の話が
近所の奥様方の間で
話題になっていたことを
梨沙子の母親が耳にし
梨沙子に話たと言う

その話を聞いた梨沙子は
直ぐ様私に連絡をしてくれた
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