となり
朝も近くなり始める頃に
父親と真悠が病院に駆けつけた
彼は父親と真悠が
碧に近寄る姿を確認すると
病室を静かに出た

碧は大分落ち着き眠っている
『み、碧。ごめんね…ごめんね、碧。私何にも知らなくて、私…』と
真悠は碧の手を強く握っていた

二人が病室に来て
何時間経ったのか
『ま…真悠?』と
目を開けた碧が
真悠の姿を確認し声をかける

『碧、ごめんね』と
真悠は碧に何度も何度も
繰り返し言いながら
手を握っていた

『真悠、来てくれたんだね。真悠にずっと会いたかったんだよ。真悠には、迷惑かけっぱなしで。私、真悠にも直人さんにも、何にもしてあげられなかった。真悠が直人さんを好きって知ってたのに、私が奪っちゃったんだって思ってた。真悠ごめんね。真悠は、私に取って大切な友達だったから、真悠も直人さんも幸せになって欲しかったんだ。真悠…私はもう…』と
碧の言葉をさえぎり真悠は
『何言ってるの。私だって碧には幸せになって欲しいって思ってるよ。これからまた…』

『ありがとう…真悠。直人さんもありがとう…私は幸せでした。最後に空太だけは、どうかお願いします…空太を…』と
直人も碧の手を握り
首を縦に振っている
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