となり
再び碧は眠りにつくと
真悠と直人は碧の手を握り
ただひたすら願うしかなかった

その時彼は普通に
学校へ登校していた
自分がいるよりきっと
父親と真悠がいたほうが
母親が喜ぶと感じたからだった
そして彼は昼になった頃に
再び母親の病院に向かった

病院に入ると真悠が
碧のそばにいる
直人は彼に気付くと
何も言わずにそっと
彼の背中を押した

『か…母さん』と
母親の横にしゃがみ込むと
母親はゆっくりと目を開いた
それはいつもと変わらない
笑顔をした母親だった
『空太、学校行ってたの?お父さんと真悠のことありがとうね。空太…お母さん…空太のこと大好き…沢山幸せになっ…』と
言葉が途切れ
そして次の瞬間…
機械音が
ピ―――――――ッと
大きな音で鳴り響いた
碧は目を閉じ眠るように
そして繋がれていた手からは
碧の力がふっと―消えた

『み、みど…り?碧』と
真悠は碧の体を揺らしながら
大きな声で叫んだ
そしてまた彼も
『母さん?か…あさ…ん…』と
震わせながら叫ぶと
『…14時8分―
ご臨終です』と
病室にいた先生は軽く会釈し
一緒にいた看護婦は
碧についた機械を
外すと身なりを整えた
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