となり
第9章 ~林間学校(前半)~
段々暑さが増し衣替えも始まる
窓際の席だったせいか
陽射しが暑く授業に
集中できずにイライラしていた
授業中は夏休み前の
テストのせいかみんなノートを
書く手が必死だった

『はいっ、ここテストにでます…』と
先生の言葉に教室の中は
メモを取り始める
シャープペンの音が響き渡る

来年は受験生―
段々と自分の進路を
決めて授業を聞く態度も
段々力が入っていた
この時の私はまだ何も
進路を決めていない

高校なんてどこも一緒だし
制服が可愛いければいいとか
家から近くって通うのに
不便じゃなければいいとか
そんな甘い考えでいた

だけど回りの様子に
私は段々と焦りを感じながら
不安も感じていた

お昼になりいつものように
学食に買い物に行く
『もえ~今日は暑いから、冷やし麺食べたくない?』と
梨沙子は冷やし中華と
冷やしたぬきと迷っていた
私は飲み物とプリンと
そして冷やしたぬきを持ち
会計をすますと
『もえ~何にしたの?』と
まだ冷やしたぬきと
冷やし中華を
手に持ち悩んでいる
梨沙子が問いかけた

『私、冷やしたぬきにしたよ』と
私が答えると梨沙子は笑って
『じゃあ、冷やし中華にするから、一口ちょうだいね』と
笑い会計に急いだ
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