となり
食堂みたいな場所を見つけ
信吾も梨沙子も一目散に
腰を落としながらへばっていた

『何か食べる?』と
私の問いかけに梨沙子は再び
首を縦に振り売店の方を見て
¨焼きそば¨と
大きく書いてあった
旗を見ながら
『焼きそばがいい』と
指差しで言うと
私は席を立ち売店に向かう

『あっ俺も行く』と
信吾が席を立ち
後ろから歩み寄る
『いいよ、疲れてるでしょ?』と
私の問いかけに信吾は
『大丈夫』と私の後ろを歩き
売店に向かった

『ね~瑞木、もえと何かあった?』と
私と信吾が離れたのを確認し
梨沙子が彼に問いかけた
『いや、別に何もないけど…何か急に避けられてる感じがしてよくわかんねーし』と
彼の答えに梨沙子は
『瑞木は、もえのこと、ぶっちゃけどう想ってんの?』と
問い正すと彼は少し間をあけ
『…大切だよ。色々と助けられたし、支えられた。きっと、もえがいなかったら、正直何もできなかったと思う。今こうして俺があるのは、もえが側にいてくれたお陰だから。俺に取って大切な存在なんだ』と
少し照れくさそうに
そして真面目に答えた
梨沙子はそんな彼の姿に
『じゃあ、はっきりさせないとダメなんじゃない?』と
クスッと笑い彼の肩を叩いた
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