星にキス。




あたしと翔ちゃんはいたってノーマルだ。


「だってさー、もう秋だよ? いまだにナツの“愛しい翔ちゃん”の声が聞けないなんて変だよ」


ハルの指摘は、当たっている。


あたしもそれは、何度も思って…… 考えた。


でも、いくら考えても結論が見つからない。


“翔ちゃんはどこにいるんですか?”

直接、この言葉を発していいのかもわからない。


「ナツと“愛しい翔ちゃん”を近づけさせたくない感じがしない?」


「そう、かな?」


ハルにこうまで言われると、不安になる。


翔ちゃんにしたら、あたしが電話をかけたことは迷惑だったのかな?


忘れていた存在からの、突然の電話。


普通なら…… 驚くだろう。


仮に、翔ちゃんに彼女がいたら…… あたしの電話って迷惑だっんだ。




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