星にキス。

ダメダメ―――。

受験のことばかりでは、睡魔不足で明日は自分の実力を発揮することが出来ないかも知れない。


こんな不安な時…… 誰かの声を聞きたくなる。


…… ハルに、電話。 しようかな？

10時30分なら…… まだ起きているかも知れない。


ケータイのディスプレイには、ハルのケー番が写っている。


発信ボタンを押すだけなのに…… 躊躇いが出てしまう。


こんな時間に迷惑じゃない？

ハルの勉強の邪魔にならない？


いろいろな気持ちが交差し結局は、待受画面に戻してしまった。


パタン――― と、ケータイを閉じたら、手中でケータイが鳴った。


あまりに突然のことだったので、あたしの体は大きくビクッとした。


メールは基本、バイブも無ければ音もしない。

音が響いているってことは――― 電話だ。