星にキス。




放課後は、ハルといつものようにファミレスにやってきた。


ケーキセットを注文する。

今日は、フルーツタルトを注文した。


「んでー、ナツは翔ちゃんのお母さんに受験の報告したの?」


「してないよ。 合否が出るまでは、連絡しないつもり」


いつも、電話をくれるのはおばさんから。

あたしから電話をすることは滅多に無い。


「翔ちゃんとは、話せたの?」


カランカランと、氷を音たてながら、ハルが尋ねる。


「少しだけおばさんから翔ちゃんのことを聞くだけで、翔ちゃんとは一度も話してないよ」


「その翔ちゃんは大学はどうするの? もう決まっているの?」


翔ちゃんの大学。

気にならないわけじゃないけど……。


「たぶん、もう決まっていると思う」


この間の電話で、おばさんの口調が翔ちゃんの進路は決まったような口ぶりだった。




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