星にキス。




歳を重ねるにつれ、あたしと翔ちゃんの連絡は少なくなっていった。

だから、今日の電話は…… 数年振りの電話になる。


「はい、これ。 電話番号」


お母さんから、11文字の数列が書かれた紙を受け取り、自分の部屋に入る。


ケータイにそれを打ち込み――― 耳に当てた。


規則正しい、コール音。

数度目のコール音が切れ、電話から女性の声が聞こえた。


「もしもし―――」


それは、若干警戒心が強い言葉だった。


「あのっ、突然のお電話すいません。 私、幼い時に翔ちゃんと仲良くしていたナツです。
――― おばさん、覚えていますか?」


よく考えたらわかること。

何年も連絡をしていなかったあたしが急に電話をするんだ。

お母さん経由ならまだしも……。


「ナツって…… あの、引っ越す前に翔と仲良くししてくれていた?」


「はい、そのナツです―――」




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