星にキス。
春から、ずっと翔ちゃんのことを考えていた。
でも、まさか……。 本当に翔ちゃんに会うことが出来るだなんて思っていなかった。
あれ以来、おばさんの口から翔ちゃんのことを聞くことは無かったし。
あたしも翔ちゃんのことを口にすることは無かった。
今回のお母さんのアイディアは、嬉しくて――― 胸が高鳴る。
でも…… “絶対”翔ちゃんに会えるってわけでも無いんだ。
そう考えると…… 少しだけ、熱が冷めるのを感じる。
久しぶりにベットに置いてある、10年前のあたしから届いた手紙を開いてみた。
【翔ちゃんと仲良くしていますか?】
翔ちゃん―――。
意地悪で、意地悪で……。
でも、周りの男の子の誰よりも翔ちゃんは優しかった。
「翔ちゃん―――」
会えると決まっているわけじゃないけど…… 25日が楽しみだ。