星にキス。
*理由。【the true is this】
白い、アパートに着いた。
ここが翔ちゃんの家である。
人差し指を近付け、チャイムを押す。
軽快な音が響き、奥から「はーいっ」と女性の声――― おばさんの声が聞こえた。
ガチャリと開いたドアの前には…… 昔の面影を少し残す、翔ちゃんのお母さんが立っていた。
「ナツちゃん。 いらっしゃい」
いつもは、電話越しから聞いていたおばさんの声を直接耳が捕らえる。
「しばらく見ない間に…… ナツちゃん、大人っぽくなったねー」
「そんなこと、無いです」
「可愛くなってー」
なんだか…… おばさんにそう言われると照れてしまう。
「さっ、入って、入ってー」
促されて、奥の部屋に足を進める。
白を基調とした、リビングに通される。
あたしは…… あたりをキョロキョロ見回す。
そんなあたしの疑問を感じたのか……。
「なにか、珍しいものでもある?」