星にキス。
思い出してもらえただろうか?
胸が激しく音を立てる。
「あぁ! あの、小さかったナツちゃんかー!」
「はい、お久しぶりです」
…… よかった。 思い出してもらえたみたいだ。
「なんか、声聞くのって久しぶりねー。 元気にしている? 今は女子校に通っているんですってね? 前に、ナツちゃんのお母さんから聞いたの」
「はい、元気です。今は女子校通っているんですよ」
「そっか、そっかー」
おばさんは昔から、明るくて優しくて――― 大好きだった。
今もその名残が残っていることが嬉しい。
「あのっ、しょうちゃん…… 元気ですか?」
「――― ッッ。 翔?」
「はい―――」
今日、電話したのはおばさんと懐かしむために電話したのではない。
翔ちゃんの声が聞きたくて、電話したのだ。