星にキス。




和やかだった部屋の空気があたしの、一言によって一辺する。


「―――」


「翔ちゃんって進路が決まったんですよね?」


おばさんから目を反らさずに聞く。


「翔ちゃんって今、どこにいるんですか?」


どうしてそんなに頑(カタク)なに翔ちゃんの話しを反らすのかわからない。


あたしは、ただ――― 幼なじみと昔話しをしたかっただけなのに。


きっと、ここであたしが折れたら…… 翔ちゃんのことを聞く機会は無くすと思う。

だから――― あたしが折れるわけには、いかない。


重く、冷たい空気が流れる中、最初に口を開いたのは――― お母さんだった。


「もう、話してもいいんじゃない? ナツも18になったし、進路も決まったことだから」


お母さんと、おばさんは…… あたしたちが産まれる前から仲良しだった。

その関係で、あたしと翔ちゃんは仲良くなった。




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