星にキス。
「ナツだって、聞きたいはずだから……」
一度、あたしから視線を反らした。 そして“ハァー”と、おばさんがため息を吐いた。
あたしともう一度、向き合う。
「ごめんね、ずっと翔のこと、何も言わなくて……」
やっと、あたしは翔ちゃんのことを聞くことができる。
たぶん、この流れから翔ちゃんのことはいい話しを聞ける感じはしない。
それでも、翔ちゃんのことが聞けるなら――― なんでもいい。
「今、翔はね――― 日本にいないの」
「…… えっ?」
日本に、いない。
“日本にいない”とは、どう意味、なんだろう?
「中学は、ここら辺の中学に通っていたの」
だったら、高校からどこかに行ったの?
…… それも、海外に?
「ナツちゃんの元にもパンフレット、届かなかった? 中学生になったころに“高校生活を海外で過ごそう!”ってキャッチフレーズのやつ」