星にキス。
「また、翔が帰国したら連絡するね」
「はい、ありがとうございます」
翔ちゃんのことを聞いていたら、帰る時間になってしまった。
本当はもっと翔ちゃんのことを聞きたかったけど…… おばさんがまた連絡してくれるというので、それまで待つことにした。
「今日は、ありがとうございました」
玄関で頭を下げて、翔ちゃんの家をあとにする。
車に乗り込むと――― お母さんとの間に会話は無い。
「お母さんは、翔ちゃんが海外の高校に入学したこと知っていたんだね」
「出国は見送りに行ったからね」
「そうだったんだ」
「ナツは受験の前だったから、わざと教えなかったんだけど…… 翔ちゃんにも言われたの」
えっ…… 翔ちゃんに?
何を言われたの?
「“ナツには海外に行く事は、内緒にしてください”ってね」