星にキス。
“あぁー、あれか” と小さく、目の前の彼が言葉を零した。
どうやら彼も、今日、打ち合わせがあることを知っているみたい。
「だったらその打ち合わせ、そろそろ終わるんじゃないか? そんな時間をかける予定が無いみたいなこと、言っていたから」
そうなんだ、あたしはもっと時間がかかるものだと思っていた。
時間がそれ程掛からないなら…… もう、会議室に行こうかな?
「なんか、邪魔してすいませんでした。 …… あたし、戻ります」
ペコッと頭を下げ、図書館から去ろうとした。
「ちょっと待って、俺も行く」
その言葉に驚き、背中を向けていたが…… あたしは、振り向いた。
「俺の友達もその打ち合わせに参加しているから、一緒に行くわ」
そう言って、彼はあたしの隣に並び…… 一緒に歩みはじめる。
歩調もあたしに合わせて、歩いてくれた。