星にキス。
それ程遠くない距離を二人で歩く。
「あっ、名前! なんて、言うの?」
今まで無言だった彼が突然、話し掛けてきた。
「名前?」
「そう、君の名前。 俺と同じ、1年生でしょ?」
1年生ってとこは間違ってない。 でも“1年生でしょ”と決定的に言われると、少し…… 悔しい。
「君、結構おもしろいから…… 名前、気になって……」
「浅海 夏希(アサミ・ナツキ)」
「えっ……。 浅海、夏希?」
あたしの名前を聞いた途端。 彼は、歩みを止めた。
首を傾げ、彼を見上げる。
目を大きく開き――― とても驚いた表情をしている。
あたし…… なにかおかしなことでも言ったのかな?
「あのっ……」
“どうかしました?”と、言葉を続けようとしたら、彼に言葉を遮られた。
「久しぶり」
「えっ?」