星にキス。
*感涙。【crazy loving to you】
彼の言葉の意味が、よくわからない。
「ナツ……。 久しぶり」
男の人であたしを“ナツ”と呼ぶのは、両親を除けば…… “一人”しか残らない。
でも、その“一人”が今…… 目の前の“一人”なんだろうか?
「帰国してから、予定が合わなくて残念だったな……」
背が高く、黒髪が印象的な彼が……。
あたしが1年間、声を聞きたくて―――。
話したくて、しょうがなかった彼――― なんだろうか?
「翔、ちゃん?」
「うわっ!! その呼び方、懐かしい」
流暢(リュウチョウ)な日本語。 3年間、海外で生活していたことが嘘のように感じてしまう。
「本当に、翔ちゃん?」
本物か偽物かなんて…… わからない。
嘘なら、嘘と教えてほしい。
傷つく前に―――。
変な期待を持つ前に―――。
震える唇で、再び同じ言葉を繋ぐ。
「本当に、翔ちゃん?」