星にキス。
夢でも見ているじゃないか――― そう、思えて仕方ない。
春休みは、春休みで大学関係がお互い忙しかった。
翔ちゃんが帰国したのは知っていたけど…… 会うことなんて出来なかった。
それで、迎えてしまった“入学式”
会うことは、半ば諦めていた。
「バーカッ、俺が嘘なんかつくわけねーよ」
「本当?」
「当たり前。 俺が“佐々木 翔”だけど。 なんなら、学生証でも見るか?」
ポケットから取り出した財布から、学生証を取り出しあたしに差し出す。
震える手で、それを受け取り、名前と生年月日を確認する。
「翔ちゃん、だ……」
それは全て、あたしが知っている翔ちゃんの基本情報だった。
疑いから、一気に本物に変わった。
「だろ? だから、言ったのに」
目の前にいる彼が、翔ちゃんだとわかると…… 涙が込み上げてきた。