星にキス。




翔ちゃんの前で泣けば、また小さい頃のように“泣き虫”って、バカにされるかな?

でも、今は…… いくら、バカにされたっていい。

なんせ、目の前には――― 翔ちゃんがいるんだもん。


「ナツー。 俺に会えて嬉しいからって、泣くなよ」


「泣いてないッッ」


「嘘つくなっての。 そりゃ、ずっと連絡しなかったのだって、海外へ勝手に行ったのだって悪いって思っているから……」


違う…… 違うの。

別に翔ちゃんに、謝って欲しいわけじゃない。


ただ、再会できたことが嬉しくて……。


「翔ちゃんのバカーッ」


あたしは、ゆっくり泣き崩れた。


「マジで驚かせて悪かったって……」


翔ちゃんの帰国を聞いてから、ずっと…… 伝えたいことがあった。

まさか、こんな場所で言うようになるとは思っていなかったけど……。


こぼれ落ちる涙を拭い、翔ちゃんと視線を合わせる。


そして、たった一言―――。




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