星にキス。




ちょっと公園に立ち寄っただけ。

あと、翔ちゃんのお母さんと話しただけ。


それ以外、何一つ変わらない日常だった。


「そっか、あたしの気のせいか。 …… なんかゴメン、ナツ」


「んーん、気にしていないから」


あたしは首を横に振って、笑顔で答える。


そして、何事も無く――― 午前中の授業は終わった。



「ナツー、お昼にしよー」


「はいよー」


お昼の時間は結構好き。

何もかもから解放されて、自由な時間。

でも、一番好きなのは放課後だ。


「ねぇ、ハルー」


「なに?」


ちょっと、気になることがあったから聞いてみた。


「ハルってさ、小学生の時に“未来の自分へ”って感じで手紙とか書いた?」


「…… 手紙」


眉間にシワを寄せ、あたしを見つめてきた。




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