星にキス。
「だって、だってー」
「だってもこっても無いッッ!」
ハルの意地悪。 ちょっとくらい見せてくれたって、バチは当たらないのに。
「そんな難しくないよ。 2年生の復習だったから」
「ふーん」
宿題すら見ていない。 春だから頭がポーッとするが、渋々机の中から化学の宿題を取り出しペンを走らせた。
「おはようございます」
窓の外から聞こえる、明るい声。
そんな声を聞きながら…… あたしはアセチレンやアセトアルデヒドを作っていく。
「あっ、それ違う」
時々ハルに指摘されながらも、化学を解いていく。
化学なんて、嫌いだ――― バカッッ。
爽やかに始まるはずの朝が、化学に邪魔されながらも――― 今日1日が始まった。
「そこは、COOHだから」
正確に言えば…… ハルの“愛のムチ”からはじまったのだ。