星にキス。
*梅雨。【the rainy season】
――― ザー ザー。
激しく、強い雨が、地面を叩き付ける。
「止まないねー、雨」
ハルがお弁当を片手に、あたしの席に近づいてきた。
机を向かい合わせ、お弁当を広げる。
「梅雨、だからね」
ハルの問い掛けに、窓から外を見ながら返す。
「早く止めばいいのに」
「でもさー、そうしたら今度は夏だよ? 暑いだけじゃん」
「いいじゃん。 うちの高校って水泳ないし」
ハルの言うとおりだ。 あたしたちの高校には、水泳の授業そのものが無い。
だから、夏の体育はそれ程憂鬱になることは無い。
「ねぇ、ハル?」
「…… どうしたの?」
あたしには、ずっと疑問に思うことがあった。
でも、どうしても一人じゃ解決出来そうに無い。