星にキス。




「最近さ…… よく、掛かって来るの」


「なにが?」


「電話」


「電話?」


こうも、はっきり言うことが出来ないのは……。

ハルにとっては“他人”って事もあるけど…… あたしが、少しだけ話しずらいってのも、一つの理由。


「誰から電話くるの?」


「…… 翔ちゃんの、お母さん」


“いつでもどうぞ” …… とは、言った。

でも、まさか……。


「週に1、2回も掛かって来るなんて思ってなかったの」


決して、迷惑ってわけでは無い。

たくさん声が聞けて、嬉しいって気持ちもある。


おばさんがどんなことをしているのか。

新しいアロマを見つけたとか……。


会話の内容は、他愛もない話しばかり。


「よかったじゃん。 色々、聞けて」


それは、そうなんだけど……。


「おかしくない?」


あたしの中に、小さな疑問がうまれた。





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