星にキス。




ハルの出した、結論だ―――。


言われてみれば……。

おばさんがあたしに電話をくれるのは、決まって6時ごろ。


翔ちゃんが部活をやっているならまだ帰ってきていない時間だ。


元からあたしがおばさんに電話した理由が“翔ちゃんの声が聞きたい―――”だったからな。

だから、あたしから話しを反らしているんだろうか?


「あまり、難しく考えないほうがいいんじゃない?

頻繁に電話が来るのは、ナツが懐かしいからだって」


「翔ちゃんだって、向こうにはいるよ?」


「翔くんに兄弟、姉妹は?」


「翔ちゃんだけ」


「だったら、女の子のナツが可愛いんだよ。 …… きっと」


そう、なのかな?

単純に、あたしが女の子だから?

可愛いから?


「ほら、5限目始まるよ」


「うん……」


雨が強く降る中。

あたしの心に、小さな疑問が生まれたまま。


――― 季節は、太陽が強く照りつける季節を迎えようとしている。




< 39 / 155 >

この作品をシェア

pagetop