星にキス。
ハルの出した、結論だ―――。
言われてみれば……。
おばさんがあたしに電話をくれるのは、決まって6時ごろ。
翔ちゃんが部活をやっているならまだ帰ってきていない時間だ。
元からあたしがおばさんに電話した理由が“翔ちゃんの声が聞きたい―――”だったからな。
だから、あたしから話しを反らしているんだろうか?
「あまり、難しく考えないほうがいいんじゃない?
頻繁に電話が来るのは、ナツが懐かしいからだって」
「翔ちゃんだって、向こうにはいるよ?」
「翔くんに兄弟、姉妹は?」
「翔ちゃんだけ」
「だったら、女の子のナツが可愛いんだよ。 …… きっと」
そう、なのかな?
単純に、あたしが女の子だから?
可愛いから?
「ほら、5限目始まるよ」
「うん……」
雨が強く降る中。
あたしの心に、小さな疑問が生まれたまま。
――― 季節は、太陽が強く照りつける季節を迎えようとしている。