星にキス。
*18歳。【girls high school】
黒板の前で、白いチョークを持った英語教師が今日も“熱く”授業をする。
「いいかー、みんな。 1年後の自分を思い浮かべるんだ!
大学のキャンパスを颯爽と歩く自分の姿だ! その為には“今”自分に何が必要がわかるだろ?」
先生の言っていることは…… 遠回しだが“勉強しろ”
そう言っているように感じる。
…… いや“勉強しろッッ”と言っているのだろう。
だけど…… あたしは、どうも授業に集中出来ない。
つい、窓に視線が行き…… 桜を見下ろしてしまう。
席替えで獲得した、窓際の席。
一番後ろではないものの…… “花見をしろ”と言っているような席だ。
前から2番目だって、気にしない!
英語の授業が終わるまで――― あと、5分。
「はい、教科書読んでー」
先生の声は右から左へ抜けていく。
あたしのお花見の時間――― あと5分。