星にキス。




悩むところだ。


本音を言えば――― 行きたい。 行って、会いたい。


でも、現実問題。

あたしには今、そんな余裕があるだろうか?


仮にも、あたしには“受験生”って肩書きがある。

それがある以上“簡単に遊びに行っていいのかっ”と、呼び止める自分がいる。

それと同時に“1日くらいいいじゃん。 久し振りの再会になるんだからっ”と言って、助長するような自分もいる。


悩みが、また増えた―――。


進路に、翔ちゃんのこと。


自分で自分の増やすなんて――― バカみたい。


額に汗が滲む。

夏の、この暑い風に身を包まれた。


「――― 戻ろう」


いつまでもこの夏の暑い外になんていられない。


ドアを引き開けて、ハルの元へ戻った―――。




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